ニア、ファーオプションの特徴を生かす戦略 バックスプレッド

オプション取引の基礎

オプションの特徴として、急上昇、急降下する場合は現在価格から遠い方が動く

と言われていますが、実際はどうなのか

8月10日のコール価格を見るとそれがはっきりと現れていたので紹介します

この日は連休明け初日、CMEでは27900円近くまで日経は上げ

朝から買われる展開となりました

期限間近となった8月限、C28000とC28500はどのように変化をしたのでしょうか

まずはその時の価格に近かったC28000

9時に95円だったものが、150円まで上昇しました、約1.57倍です

ではC28500円ではどうでしょう

12円から53円、4.41倍です

なぜこれほどの差があるのでしょう

これはC28500を売ってた人たちはまさかここまで上昇するとは思ってないだろうから、

リスクを避けて、売りの買い戻しをしたというのもありますが、

新たに買う側の要因としては単純に価格が安いという事です

95円のコールより12円の方がより枚数を買えて、

さらに上昇し12円から13円になれば、8%の上昇になるからです

株で言う仕手株みたいなもので

期限が近づくとそのくらいの権利行使価格のオプションはたくさんあります

では、

だから上昇しそうと思った時にファーコールを買えなどというつまらない戦略ではなく

ファーオプションのこの特性を生かして、以下のような戦略が取れます

現在価格付近のプットを売り、2倍以上のファープットを売るバックスプレッドです

ただ、これは短期のみの戦略で中長期には全然ダメな戦略ということを最初に言っておきます

この特徴を利用したプットの例です

コールでも同じことはできますが、売りの権利行使価格の高いプットにしました

これは今プットを仕掛けた方がいいと言ってるわけではありません

なんとこのポジション、コストは15円(15000円)しかかかりません

では損益チャートを見ると

現在価格の27900円から27000円まで下げたら101円(10万1000円)の利益、それも期中

要するにP27500円の売りより枚数の10倍多いP24250の上昇が強烈なため

下げると損になるP24250の売りがあったとしても

P24250の利益がP27500の売りからくる損を軽く飲み込むことができるのです

さらに、短期で急落すると以下のように期中利益は急速に伸びます

これすごいと思った方、ちょっと待ってください

時間軸を2日後の12日に時間軸を進めると(下の図)

同じ27000円まで下げた場合、期中利益はまさかの3円(3000円)まで下がるのです

時間が経つごとに、直角カーブの線に損益は寄っていくことになるので

タイムディケイで損が急速に増えるのです

期中利益を具体的な数値で見ると

プットの38円が元の価格なので、1円上げるごとに2.6%上昇し

それを10枚持っているので上昇率も爆発的

ただ、予想に反し相場が上昇すると1円ごとに同じだけ利益は減るので、諸刃の剣です

さらにタイムディケイによる減価が激しいので、期限まで余裕のある限月で行うことが必須です

買いの枚数が多いため、証拠金の心配はありません

それにしても、利益が10000(一千万)まで伸びてるこの利益カーブはなんとも魅力的です

2、3日などの短期で仕掛ける戦略としては利益の期待できる戦略だと思います

買いの枚数が売りの2倍以上であればバックスプレッドになるので、

利益は減るが、買いの枚数を少なくする

プット売りの権利行使価格をもっと安いものにするするなどして調整して挑むのもいいかもしれません

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